Case

コンタクトセンター 想定B

月10万件の通話ログをLLMで自動評価し、SV工数を75%削減

月10万件超の通話ログをLLMで自動評価。SVマネジメント工数を75%削減し、応対品質スコアを継続改善できる体制を構築した想定事例。

· AI駆動開発 /業務自動化 /コールセンター
コンタクトセンター 想定B 月10万件の通話ログをLLMで自動評価し、SV工数を75%削減

クライアントについて

株式会社想定B(業務名「BEACON CALL」)は、金融・通信・SaaS事業者の問い合わせ窓口を受託運営する BPO コンタクトセンターです。常時稼働オペレーター数は約250名、月間応対件数は10万件超。近年は AI 活用支援領域への投資を拡大しており、応対品質をデータドリブンで継続改善することを経営アジェンダの中心に置いています。

導入前の課題

応対品質の継続的な改善に必要な基盤データが、十分に取れていない状態でした。

  • サンプリング前提の品質チェック:SV が月数百件をピックアップして手動評価しており、全体の1% 未満のカバレッジに留まっていた
  • 評価者間のばらつき:同じ通話でも SV によって評価点が異なり、改善指示の根拠が弱かった
  • 品質改善サイクルの長期化:評価 → フィードバック → 改善の1サイクルに数週間を要し、PDCA が遅かった
  • SV 工数の圧迫:本来注力すべき新人育成やシナリオ改善の時間が品質チェックに奪われていた

サンプリング前提の品質チェックの課題

提供したソリューション

応対品質ルーブリックをデジタル化し、LLM ベースのスコアリングエージェントに組み込む形で、月間10万件超の通話ログを全件自動評価する基盤を構築しました。

音声書き起こしから抽出した発話特徴量とシナリオ準拠度を LLM が評価し、結果を品質ダッシュボードに集約。SV は下位スコアの通話と要改善ポイントだけをレビューするフローへ移行しました。スコア低下の予兆検知も自動化され、品質マネジメントが「事後検査」から「予防的介入」へシフトしています。

実装プロセス

合計5ヶ月で全件カバレッジ運用へ移行しました。

  • Phase 1:既存品質ルーブリックの棚卸し / デジタル化対応 / 評価項目の合意
  • Phase 2:通話ログ正規化パイプライン構築(音声 → 書き起こし → 特徴量)
  • Phase 3:LLM スコアリングエージェント設計 / プロンプト・評価チューニング
  • Phase 4:SV 専用レビュー UI 内製開発 / 品質ダッシュボード構築
  • Phase 5:パイロット運用 → 全件運用拡大 / 週次改善サイクル定着

LLM スコアリングエージェントによる全件評価フロー

成果と効果

  • SV の品質チェック工数を 75% 削減
  • 応対品質スコアの全件カバレッジが実現(従来の1% 未満から100%へ)
  • 品質スコア改善サイクルを週次で回せる体制を確立
  • NPS が +12 ポイント向上、クライアント満足度も大幅改善
  • SV が本来注力すべき新人育成・シナリオ改善業務に時間を割けるようになった

今後の展望

次フェーズでは、応対中のリアルタイム品質サジェスト(AI が次の発話案を提示)を試験導入予定。さらにスコアリングモデルのチューニング自動化や、他クライアント窓口への横展開も視野に入れています。AI の活用を「評価」から「実時間支援」へ進化させ、応対品質の標準偏差そのものを縮める方向で取り組みを継続します。