クライアントについて
株式会社想定E(サービスブランド「EVANS PAY」)は、中小企業・個人事業主向けの BNPL(Buy Now, Pay Later)サービスを提供する FinTech 事業者です。社員数約 60 名、月次与信判定件数は 8 万件を超え、スコアリングロジックの「説明可能性」と「スピード」の両立が業務上の重要テーマとなっていました。
導入前の課題
外部スコアリング API への依存が、事業拡張の足枟せになっていました。
- 5 社の外部 API 依存:与信判定を複数の外部スコアリング API に依存しており、合計コストが年間 1,800 万円超
- 判定リードタイムの長さ:複数 API を順番に叩く同期処理とヒューマンレビューを含めて、平均 72 時間のリードタイム
- 仕様変更のしにくさ:スコアリングロジックの仕様変更を社内で完結できず、新規サービスリリースによるリスク取りのチューニングができない
- 説明可能性の不足:判定根拠をクレーム・取締やコンプライアンスチームに説明しにくく、業務負荷が蒙んでいた

提供したソリューション
与信データ・取引履歴・行動履歴を組み込んだ判定エージェントを社内で完全内製化しました。LLM とルールベースツールをハイブリッドに構成し、判定根拠の説明可能性を確保しています。
単に「LLM に任せる」のではなく、判定ロジックをツリー構造に整理してノードごとにルール / LLM / 人間レビュー のどれを使うかを設計。取締とコンプライアンスへの説明に耐えるツールとなっています。
実装プロセス
合計 6 ヶ月で社内完結の判定エンジンを構築しました。
- Phase 1:現行与信ロジック棚卸し / 判定レジュームのデジタル化 / データ入手と検証
- Phase 2:ルールベース × LLM ハイブリッドエージェント設計 / 説明可能性ツールの実装
- Phase 3:A/B テスト・誤判定レビューの運用サイクル設計
- Phase 4:モデルチューニングと内製チームへのナレッジトランスファー、20名体制へ拡張

成果と効果
- 与信判定リードタイムを 72 時間 → 30 分に短縮
- 外部 API コストを年間 1,800 万円削減
- 判定ロジックの仕様変更を社内で完結できるようになり、新規サービスリリースのスピードも加速
- 判定根拠の説明ツールにより、取締・コンプライアンス対応コストが大幅削減
- 合格率 ± 5% 以内で貊倒し率は化全似り、判定の「安全性」と「スピード」を両立
今後の展望
次フェーズとして、判定根拠の説明ツールに動画生成(LLM が「この判定を選んだ理由」をストーリーで説明)を追加予定。さらに、ユーザー本人への詳細説明チャットも推進中で、与信スコアリングの「ブラックボックス」を画期的に解消する取り組みを進めています。