Case

SaaS事業者 想定C

経営ダッシュボード基盤を Vertex AI で再構築し、意思決定スピードを2倍に

プロダクト・営業・財務で散在していたデータを Google Cloud + Vertex AI で統合し、経営会議の意思決定リードタイムを 50% 短縮した想定事例。

· データ基盤 /SaaS
SaaS事業者 想定C 経営ダッシュボード基盤を Vertex AI で再構築し、意思決定スピードを2倍に

クライアントについて

株式会社想定C(プロダクトブランド「cedar」)は、中堅企業向けナレッジマネジメント SaaS を提供するシリーズB スタートアップです。社員数約80名、有料企業アカウント数は約600社、ARR は月10%ペースで拡大しています。「データドリブンな経営」を掲げる一方で、社内データ基盤の整備が商品拡充のスピードに追いついていないのが課題でした。

導入前の課題

データは豊富にあるのに、意思決定に使える状態になっていないジレンマを抱えていました。

  • データサイロ化:プロダクト・営業・財務のデータが複数の SaaS(Salesforce / freee / Stripe / GA4 等)に分散
  • スプレッドシート手作業:月次の経営会議ごとにアナリストがスプレッドシートで手動集計、2日以上のリードタイムが発生
  • 意思決定の遅さ:データを集めるだけで会議の半分以上が使われ、「なぜそうなったか」の議論時間が取れなかった
  • セールス・プロダクト現場の「計測ボトルネック」:KPI 変動に対して仮説を試したくても、データを集めるだけで週間がかかり、改善サイクルが遅い

データサイロと手作業集計の課題

提供したソリューション

Google Cloud をハブにしたデータ基盤を設計・実装しました。BigQuery に全ソースを集約し、Looker Studio + Vertex AI の自然文クエリでノンデータエンジニア・セールスも自走で分析できる体制を構築。

重要なのは「ダッシュボードを作る」ことより「現場が仮説検証をセルフサービスで回せる状態を作る」とし、ジュニアセールスでも LLM に語りかけるだけで意思決定に必要な数値を取り出せる UX を設計しました。

実装プロセス

合計4ヶ月で本番運用へ移行しました。

  • Phase 1:データモデル設計 / BigQuery スキーマ統一 / KPI 定義のオーソリティ合意
  • Phase 2:SaaS 連携パイプラインの実装(Salesforce / freee / Stripe / GA4 / 自社プロダクトDB)
  • Phase 3:Looker Studio ダッシュボード設計 / Vertex AI 自然文クエリ UI の実装
  • Phase 4:経営・セールス・プロダクト 3部門へのオンボーディング / 週次データレビュー体制の定着伴走

Google Cloud + Vertex AI による統合データ基盤

成果と効果

  • 経営会議の準備リードタイムを 50% 短縮
  • 会議中の議論時間が1.8倍に拡大(「なぜ」「どうする」に時間を使えるように)
  • KPI 変動に対する仮説検証サイクルを週次で回せるようになり、プロダクト改善スピードも向上
  • セールスジュニアが自走でパイプライン分析をできるようになり、データ依頼件数が月35件 → 8件に減少
  • データチームが集計作業からデータモデリング・インサイト生成にシフトできるように

今後の展望

次フェーズとして、Vertex AI を活用したKPI 予測モデル解約予測スコアリングを導入予定。さらに、ダッシュボードを見る予防として LLM が「今週注目すべき KPI とその背景」をサマライズしてSlack に投稿する仕組みも検討中です。