Case

税理士法人 想定A

月次決算プロセスをAIエージェントで90%自動化

仕訳分類・月次レポート生成を生成AIエージェントで自動化。スタッフの定型作業時間を月あたり120時間削減し、顧問先への提案業務にリソースを再配分した想定事例。

· AI活用 /業務自動化 /士業
税理士法人 想定A 月次決算プロセスをAIエージェントで90%自動化

クライアントについて

株式会社想定A(業務名「ASUKA & CO.」)は、中堅企業向けの法人税務・会計顧問を主軸に置く税理士法人です。社員数は約40名、関東圏に2拠点を展開し、顧問先企業は約220社。創業以来「先進的なテクノロジー活用で士業のあり方をアップデートする」を掲げ、業界平均と比較してクラウド会計ソフトの利用率も高い、デジタル感度の高い組織です。

導入前の課題

業務量と質の両面で、月次決算プロセスがボトルネックになっていました。

  • 仕訳分類の手作業依存:月次決算における科目チェックがスタッフの目視確認に強く依存
  • レポート作成の負荷:顧問先別の月次経営レポートをExcelで個別作成、1社あたり平均45分の工数が発生
  • 繁忙期の残業前提化:月初〜10日に作業が集中し、残業前提のシフトを組まざるを得なかった
  • 提案業務の機会損失:本来時間をかけたい税務戦略提案やコンサル業務に、ベテランがリソースを割けない状態

月次決算プロセスの課題

提供したソリューション

「人間の判断が必要なところ」と「AIで代替可能なところ」を明確に切り分け、月次決算プロセス全体を AI エージェント中心の設計に再構築しました。

過去5年分の仕訳データを学習させた仕訳分類エージェントを Vertex AI 上に構築し、freee 会計 / マネーフォワード会計の API と双方向で接続。スタッフは AI の分類結果を確認・修正するだけで月次決算を進められる UI を整備し、月次経営レポートの自然文セクションも Gemini で自動生成する設計としました。

実装プロセス

合計4ヶ月で本番運用までの伴走を行いました。

  • Phase 1(月1):業務フロー棚卸し / 自動化対象範囲の合意 / KPI 設計
  • Phase 2(月2):仕訳分類エージェント設計・実装、過去データでの評価チューニング(precision/recall 反復改善)
  • Phase 3(月3):会計 SaaS との API 連携 / レビュー UI 内製開発 / レポート自動生成テンプレ整備
  • Phase 4(月4):パイロット運用(顧問先10社)/ 運用ルールブック策定 / 全スタッフへのオンボーディング

AIエージェント自動化フロー

成果と効果

定量・定性の両面で大きな効果が出ました。

  • 仕訳分類の AI 提案精度 97%(残り3%は経験豊富なスタッフのレビューで対応)
  • 担当者の月次決算作業時間を全社合計 120時間/月削減
  • 月次レポート作成時間を1社あたり 45分 → 8分に短縮
  • 浮いた時間で顧問先18社に対する税務戦略提案を新規開始、年間ベースで増収につながった
  • 繁忙期の残業時間が前年同月比 62% 減少、スタッフ満足度調査でも改善

今後の展望

第二フェーズとして、顧問先企業向けの「経営分析サマリ」を AI エージェントで自動生成し、毎月の打ち合わせ前に顧問先側でも確認できる仕組みを構築予定。さらに将来的には、相続税・組織再編税制など高難度領域での AI 活用も検討しており、士業の専門性 × AI の業界先進事例として継続的に進化させていきます。